話し方Web講座 ⑦スピーチ

スピーチ・プレゼン 2

☆スピーチは、「くり返し」が大切

書くとき ⇒ 通常は、「くり返し」を避ける       
(理由)何度も読み返せるから
       
話すとき ⇒ 「くり返し」が大切       
(理由)言葉が消えるから。聞き手が、聞いていないときがあるから。

ラクに聞けるように、くり返す

聞き手は、話を聞くときに一語も聞き逃せないとなると、ヘトヘトに疲れてしまいます。
そこで、ラクに聞けるように、重要なことやわかりにくいことは、くり返して話す必要があるのです。

☆書くとあまり文章になっていない

いいと思ったスピーチでも、紙に書くと、文章がおかしいところがあります。
きっちりしていないのです。
それに、レベルが低く感じます。
これが、話しことばです。

耳で聞いてよかったら、いいスピーチ

このようなことばでも、話すと自然に聞こえます。
結局、スピーチは、耳で聞いてよかったら、いいスピーチなのです。

☆場面が浮かぶと、話に引き込まれる

書いた文は、抽象的な言葉でも、時間をかけて想像することができます。
しかし、聞いているときは、そんなゆっくりした時間はありません。
そこで、話し手は、すぐに絵が浮かぶ、場面が浮かぶように話すことが大切です。

ロシアの有名な演出家 スタニフスキーの言葉
「話すということは、相手の心に絵を描くこと」

言葉で絵を描くように話す

「言葉で絵を描くように話す」とよく言います。
その場の情景が浮かぶように話すと、聞き手は話に引き込まれるのです。

☆心を動かすには、感情を込めて話す

聞く気をなくす話し方

○読み調子・一本調子
○感情がこもっていない
○熱意が感じられない

感情を込めて、話しましょう。
うれしいときはうれしそうに、悲しいときは悲しそうに、驚いたときは驚きながら、話します。
気持ちが入ると、熱意が伝わり、相手の心を動かすことができます。

☆スピーチは、最初にテーマを決めておく

話をわかりやすくするには、最初にテーマを決めておきましょう。
テーマ(自分が一番言いたいこと)を決めていないと、言いたいことがはっきりしません。
そのテーマを意識して話すのです。

テーマを絞る

広い範囲のテーマにすると、何を話していいのか、わからなくなります。
「話にする」のが、むずかしくなるのです。
そのために、テーマを絞りましょう。

テーマを絞ると、話しやすくなります。
「健康について」
   ✕ 広すぎるテーマ
    ↓
「健康のために、毎日歩いている」
  〇 絞られたテーマ

☆スピーチで、テーマから離れた話題は?

スピーチで、「これも話したい」と、テーマから離れた話題を入れる人がいます。
テーマから離れた話題は、脱線です。
脱線してもいいのでしょうか。

脱線とわかれば、問題はない

脱線とわかれば、問題はありません。
聞き手が脱線だと思わないときが、問題なのです。
「これは余談です」というような断りがあればいいのです。

☆同じスピーチを何度もしよう

スピーチは、ライブ感が大事

スピーチで大事なことは、ライブ感(そのとき出てきた言葉)です。
原稿の丸暗記では、ライブ感がなくなります。
スピーチは、キーワードをもとに、ふだんと同じように話すのです。

ジャズのアドリブのようにスピーチする

話がうまい人は、同じスピーチを何度でもできます。
言葉は変わりますが、キーワードをもとに、何度でも話せます。
同じスピーチをジャズのアドリブのように話せるのです。

男性がトランペットでジャズ演奏をしている

☆好意的に聞いてくれる人に向かって話す

スピーチするときは、聞いていない人やブスッとしている人、寝ている人を見ない。
見ると、テンションが下がります。
逆に、リアクションがある人を見ると安心できるし、気分も乗ります。

うなずくなど好意的に聞いてくれる人、積極的に聞いてくれる人を見つけて、その人に向かって話す。
そうすると、より聞いてくれます。
そして、そこから、いい雰囲気が周りに広がっていきます。

☆上手な人は、息をゆっくり吸える

スピーチは、「息を吸う」を意識しよう

息を吸う → 話す(息を吐く) → 息を吸う → 話す(息を吐く)

この繰り返しがスピーチです。

スピーチは、誰でも緊張します。

緊張すると、呼吸が早くなる
   ↓
呼吸が早くなると、早口になる

だから、スピーチは、呼吸をゆっくりさせる必要があります。
とくに、息を吸うときにゆっくりです。

スピーチの苦手な人は

スピーチの苦手な人は、息が吸えていません。
息を吸うのは、いつもやっているから、簡単だと思います。
しかし、この簡単なことが、緊張する場面では、できなくなります。
呼吸が早くなり、きちんと息が吸えなくなるのです。

息が吸えないと、息が苦しくなります。
息が苦しくなると、ますます緊張します。

声も、息からつくっているので、出なくなります。

スピーチが上手な人に共通しているのは?

息が吸えている
あわてて吸ったりしない

上手なスピーチかどうかは、息の吸い方でわかります。
スピーチの上手な人は、息をゆっくり吸うことができるのです。

息が吸えると、間がとれる

息が吸えると、間がとれます。
緊張で、呼吸が早くなると、間をとることがむずかしくなります。

☆「間」をとって話そう

聞き手は、話の1つのまとまりを理解するのに、0.5秒くらいの「間」が必要です。
しかし、早口でしゃべる人の「間」は、0.1~0.3秒です。
言葉を聞いただけで、理解するところまでいけません。

「間」は理解する時間

逆に、ゆっくりしゃべっても、「間」がないと理解する時間がないということになります。

☆いろいろな「間」を使い分けよう

「間」の長さも、いろいろ。
1~3秒の「間」や、もっと長い「間」もあります。

了解を求める「間」
話し手が、話をわかってもらうために、聞き手に了解を求める「間」。
「ここまで、よろしいでしょうか?(間)」
余韻を与える「間」
自分の感動を、相手にわかってもらうときに使う「間」。
「スランプから金メダル。よく頑張りましたねえ(間)」
想像させる「間」
「このあと、どうなる?」と、聞き手に想像させる「間」です。
「ガシャン(間) ひゅーーー カメラが オリの中へ ~~ 」
注目を集める「間」
「しかし、何?」と、聞き手の注目を集めることができます。
「それはよくないという声もある。しかし(間)~~ 」
「それはよくないという声もある。(間)しかし」よりも、インパクトがあります。
同意を求める「間」
聞き手に同意してもらうための「間」。
「今日から、3月ですね。(間)~ 」
考えさせる「間」
聞き手に質問して、考えさせる「間」。
「もし、宝くじで 1億円当たったら、どうしますか?(間)~~ 」

☆ビデオカメラや鏡の前で、スピーチ練習

自分の話し方がよくわかる

ビデオに録画すると、自分のスピーチを客観的に見ることができます。
表情・態度・身ぶり手ぶりなどもチェックできます。
聞き手から見た自分の話し方がよくわかるのです。

もっと手軽な方法は、鏡の中の自分に話すことです。

自分のスピーチを見るのは、最初は、恥ずかしく感じます。
しかし、だんだん慣れていくのです。
この練習で、自然に話せると、本番でもうまく話せます。

声や話し方を録画で比べる

声や話し方が どのくらい変わるか ご存じですか。
そして、表情も印象も。
声や話し方の上達具合は、ビデオ録画で比べると、はっきりわかります。

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